先日、江の島コミュニティカフェむすぶさんにて「グラノーラブレンドワークショップ」を開催しました。
今回のイベントでは、まず参加者の皆さんに、腸タイプと薬膳をベースにした体質チェックをしていただくところからスタートしました。
便秘が気になる方、お腹がゆるくなりやすい方、手足やお腹の冷えが気になる方など、同じグラノーラを作るといっても、気になるお悩みや体質は人それぞれです。
会場には、オートミール、バーリーマックスフレーク、オールブラン、ナッツ、種子類、カカオニブ、ドライフルーツ、シナモンなど、15種類以上の素材をご用意。
中でもオートミールは、素焼きのシンプルなもの、甘酒で焼いたやさしい甘みのもの、ラカントSで焼いた甘さ控えめのものなど、いくつかの種類をそろえました。
同じオートミールでも、焼き方や味つけによって、香ばしさや甘み、食感は変わります。
参加者の皆さんには、それぞれの体質や好みに合わせて、オリジナルのグラノーラブレンド作りを楽しんでいただきました。
グラノーラは、ただ甘くておいしい朝食というイメージがありますが、選ぶ素材によって、栄養価も体への影響も変わります。

一人ひとりの体質や好みに合わせて、個性豊かなグラノーラブレンドが並びました。
グラノーラは食べちゃいけないもの?
私は普段、糖尿病内科で管理栄養士として栄養相談を担当しています。
その中でよくいただく質問が、
「朝食が食べられないから、グラノーラでもいいですか?」
「グラノーラは血糖値が上がるから食べない方がいいですか?」
というものです。
この答えは、半分イエスで半分ノーです。
市販の甘いグラノーラを食事代わりにたっぷり食べてしまうと、糖質やエネルギー量が多くなり、血糖値コントロールに影響することがあります。
その意味では、特に血糖値が気になる方が何となく選んで食べるには注意が必要です。
でも、グラノーラそのものが悪いわけではありません。
素材を選び、量を調整し、自分の体質に合うブレンドにすれば、食物繊維やナッツ、種子類などを手軽に取り入れられる便利な食品にもなります。
大切なのは、グラノーラを食べるか食べないかではなく、どんなグラノーラを、どのくらい、どんな目的で食べるかです。
そこで今回は、ワークショップでお伝えした内容も交えながら、血糖値が気になる方のグラノーラの選び方についてご紹介します。
まるでお菓子のようなグラノーラも。市販品は原材料をチェック
グラノーラというと、朝食やおやつのイメージがありますよね。
でも、市販のグラノーラの中には、砂糖やシロップ、果糖ぶどう糖液糖、ドライフルーツなどが多く使われているものもあります。
選び方を間違えると、健康のために食べているつもりが、実は糖質の多いお菓子に近い内容になってしまうこともあります。
特に、血糖値が気になる方や糖尿病予備軍の方は、パッケージのイメージだけで選ばず、原材料名と栄養成分表示を確認することが大切です。
まず見ていただきたいのが原材料名です。
原材料名は、使われている量が多い順に表示されています。
そのため、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、シロップ、はちみつ、植物油脂などが最初の方に並んでいる場合は、甘味や油脂が多く使われている可能性があります。
また、ドライフルーツにも注意が必要です。
果物なので体によさそうな印象がありますが、水分が抜けている分、糖質が凝縮されています。
レーズンやクランベリーなどがたっぷり入った商品は、思った以上に糖質量が多くなることがあります。
次に確認したいのが栄養成分表示です。
特にチェックしたいのは、
・1食あたりの量
・糖質量(または炭水化物量)
・食物繊維量
・たんぱく質量
「糖質オフ」「高たんぱく」「食物繊維たっぷり」と書かれていても、商品によって栄養価は大きく異なります。

血糖値が気になる方のグラノーラブレンドのポイント
血糖値が気になる方は、甘みを足すよりも、噛みごたえ、香ばしさ、食物繊維、たんぱく質、良質な脂質を意識して素材を選ぶのがおすすめです。
とはいっても、自分に合うグラノーラを市販品の中から探すのは意外と大変ですし、いちから手作りするのもハードルが高く、継続がむずかしいものです。
そんな時は、市販のグラノーラをベースにして、食物繊維やたんぱく質、良質な脂質を補える食材を加える方法もおすすめです。

例えば、
・バーリーマックスフレーク
・オールブラン
・いり大豆
・アーモンド
・くるみ
・かぼちゃの種
・ごま
・カカオニブ
・シナモン
などを組み合わせると、糖質だけに偏らず、食物繊維やたんぱく質、良質な脂質も一緒にとりやすくなります。
ナッツや大豆、カカオニブを加えると、甘さ控えめでも満足感が出やすくなります。
また、ヨーグルトや無調整豆乳と合わせることで、たんぱく質も一緒にとりやすくなります。
グラノーラは主食の代わりにたっぷり食べるよりも、おやつの代わりや、普段の食事で不足しがちな栄養を少し補うものとして取り入れる方が、血糖値が気になる方には続けやすいです。
おすすめのグラノーラブレンド食材
今回は、血糖値が気になる方にも取り入れやすく、ブレンドしやすい食材を3つご紹介します。
バーリーマックスフレーク
バーリーマックスは、もち麦の約3倍の食物繊維を含むスーパー大麦です。
バーリーマックスフレークは、そのスーパー大麦を食べやすいフレーク状にしたものです。
グラノーラに加えるだけで食物繊維を補いやすく、スープやサラダ、ヨーグルトのトッピングにも活用できます。
食物繊維をしっかりとりたい方、便秘が気になる方、腸内環境を整えたい方におすすめです。
オールブラン
オールブランは、ケロッグが販売している、小麦の外皮である「ふすま」を主原料にしたシリアルです。
ふすまには不溶性食物繊維が多く含まれており、便のかさを増やして腸の動きを助ける働きがあります。
特に、便がゆるくてまとまりがない方や、食事量が少なく便が細くなりやすい方には、体に合うと便づくりの助けになることがあります。
一方で、不溶性食物繊維は水分不足の状態で増やしすぎると、かえって便秘が強くなることもあります。
また、オールブランには砂糖も含まれているため、血糖値が気になる方は食べすぎには注意が必要です。
取り入れる時は、少量から試し、水分もしっかりとることを意識しましょう。
市販のグラノーラに少量加えるだけでも、食感のアクセントになります。
カカオニブ
カカオニブは、カカオ豆を砕いてチップ状にしたものです。
チョコレートのような香りがありますが、砂糖は加えられていないため甘さはほとんどありません。
ほろ苦さと香ばしさがあり、グラノーラに加えると満足感のある味わいになります。
甘いチョコチップの代わりに使うことで、糖質を増やしすぎずにチョコ風味を楽しめるのも魅力です。
血糖値が気になるけれどチョコレートの風味も楽しみたい方や、甘さ控えめのグラノーラにしたい方におすすめです。

ここからは、体質やお腹の状態に合わせたブレンド例を3つご紹介します。
同じ食物繊維でも、人によって合う量や素材は違います。まずは少量から試して、自分のお腹の反応を見ながら調整してみてください。
血糖値が気になる方のおすすめブレンド
血糖値が気になる方は、甘みを足すよりも、食物繊維、たんぱく質、良質な脂質を意識して素材を選ぶのがおすすめです。
グラノーラは穀物がベースになるため、甘みの強いものやドライフルーツを多く入れると、糖質に偏りやすくなります。
そのため、血糖値が気になる方は、甘さよりも「噛みごたえ」「香ばしさ」「満足感」を出す素材を組み合わせるのがポイントです。
おすすめのブレンド食材はこちらです。
・バーリーマックスフレーク
・オートミール
・いり大豆
・アーモンド
・くるみ
・かぼちゃの種
・カカオニブ
・シナモン
バーリーマックスフレークやオートミールで食物繊維を補い、いり大豆でたんぱく質をプラス。
さらに、アーモンドやくるみ、かぼちゃの種を加えることで、良質な脂質と噛みごたえが加わります。
カカオニブは、甘さを足さずにチョコレートのような香りを楽しめる素材です。
シナモンを少し加えると、甘味料を使わなくても香りで満足感が出やすくなります。
ヨーグルトや無調整豆乳と合わせると、たんぱく質も一緒に補いやすくなります。
便秘が気になる方のおすすめブレンド
便秘が気になる方は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく取り入れることが大切です。
・バーリーマックスフレーク
・オートミール
・アーモンド
・くるみ
・かぼちゃの種
・カカオニブ
・シナモン
バーリーマックスやオートミールは、腸内細菌のエサになる発酵性食物繊維を含んでいます。
さらに、ナッツや種子類を組み合わせることで噛みごたえが増し、満足感も得やすくなります。
ヨーグルトや無調整豆乳と合わせると、朝食や間食にも取り入れやすいブレンドです。
ただし、食物繊維を急に増やすと、お腹が張ったりガスが増えたりすることがあります。
最初は少量から試し、水分も一緒にしっかりとるようにしましょう。
お腹がゆるくなりやすい方のおすすめブレンド
お腹がゆるくなりやすい方は、食物繊維を増やせばよいというわけではありません。
まずはシンプルな素材を中心にして、お腹への負担が少ない組み合わせから試してみましょう。
・オートミール
・オールブラン少量
・いり大豆
・ごま
・アーモンド少量
・カカオニブ少量
お腹がゆるくなりやすい方は、ナッツや種子類を入れすぎると脂質が多くなり、お腹に負担になることもあります。
また、オールブランも体質によって合う量が異なるため、少量から始めるのがおすすめです。
冷たい牛乳よりも、常温の豆乳やヨーグルト、温めた牛乳など、お腹に負担の少ないものと合わせる方が取り入れやすい場合もあります。
自分のお腹の反応を見ながら、合う素材と量を探していくことが大切です。
グラノーラで腸内細菌叢の多様性も育てる
腸内環境を整えるためには、食物繊維や発酵食品をとることも大切ですが、もうひとつ意識したいのが、いろいろな食材を取り入れることです。
腸内にはたくさんの種類の腸内細菌がすんでいて、それぞれ好むエサが違います。
そのため、毎日同じものばかり食べるよりも、穀物、豆、ナッツ、種子類、果物、スパイスなど、さまざまな食材を少しずつ取り入れることが、腸内細菌叢の多様性を育てることにつながります。
腸内細菌叢の多様性が高まると、腸内環境が安定しやすくなり、便通のリズムを整える助けになります。
また、腸内細菌が食物繊維を分解することで作られる短鎖脂肪酸は、腸の粘膜を守ったり、腸内をよい環境に保つ働きがあります。
さらに、腸内環境は血糖値のコントロールとも関係しています。
腸内細菌叢のバランスが整うことで、食後血糖値の急上昇を防ぐ食生活づくりにもつながります。
最近は核家族化や少人数世帯も増え、毎日の食事でたくさんの食材をそろえるのが難しくなってきました。
そんな時に役立つのが、自分で作るグラノーラブレンドです。
オートミール、バーリーマックスフレーク、オールブラン、ナッツ、種子類、カカオニブ、シナモンなどを組み合わせることで、無理なく食材の種類を増やすことができます。
自分の体質や好みに合わせてブレンドを工夫することは、血糖値ケアだけでなく、腸内細菌叢の多様性を育てることにもつながります。
グラノーラを取り入れる時の注意点
グラノーラは素材を選べば、食物繊維やナッツ、種子類などを手軽にとれる便利な食品です。
ただし、市販の甘いグラノーラは、砂糖やシロップ、ドライフルーツが多く含まれているものもあり、血糖値コントロールに影響することがあります。
また、グラノーラだけを食事代わりにすると、たんぱく質が不足しやすくなることもあります。
おすすめは、ヨーグルトや無調整豆乳と組み合わせたり、朝食の一部として取り入れたりする方法です。
さらに、ナッツや種子類を加えると栄養価は高まりますが、その分エネルギー量も増えます。
体によい素材でも、食べすぎればカロリーオーバーにつながることがありますので、ほどほどの量で楽しみましょう。
まとめ
グラノーラは、選び方を間違えると血糖値を乱しやすいお菓子のような存在になります。
でも、素材を自分で選んでブレンドすれば、食物繊維、たんぱく質、良質な脂質、ミネラルなどを補える便利な食品になります。
まずは市販品の原材料表示を見ること。
そして、甘さよりも素材の力を活かすこと。
自分に合う素材を少しずつ加えることで、血糖値ケアだけでなく、さまざまな食材を無理なく取り入れ、腸内細菌叢の多様性を育てることにもつながります。
自分の体に合ったオリジナルグラノーラで、毎日の血糖値ケアと腸活をもっと楽しく続けてみてください。
治療中の方や食事制限のある方は、主治医や管理栄養士に相談しながら、ご自身に合う量で取り入れてください。

