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明治「ヘモグロビンA1c対策ヨーグルト」は効果ある?管理栄養士が解説

血糖値のコントロールに悩む方や、糖尿病予備軍と診断されて将来が不安という方にとって、日々の食事選びはとても重要です。その中で「ヨーグルトって体に良さそうだけど、本当に血糖値にいいの?」と疑問に思ったことはありませんか?

この記事では、ヨーグルトが血糖値にどのような影響を与えるのか、最新の研究をもとにやさしく解説します。また、自分に合ったヨーグルトの選び方と注意点もご紹介します。

ヨーグルトと血糖値の関係:研究から見えたこと

まずは、「ヨーグルトが血糖値に効くのか?」という疑問に対して、最近の研究で分かってきたことを見ていきましょう。

ヨーグルトをよく食べる人ほど、糖尿病になりにくい傾向があるという研究があります。毎日1カップ(100g程度)のヨーグルトを食べていた人は、食べていない人よりも糖尿病のリスクが低かったという結果も出ています。

また、乳酸菌やビフィズス菌など、善玉菌が含まれるヨーグルトを食べ続けることで、血糖値の数値(空腹時血糖やヘモグロビンA1c)が安定するケースがあることも分かってきています。

しかし、すべての人に同じような効果が出るわけではなく、「どんな菌が入っているか」「どれくらいの期間続けたか」「その人の体質や生活習慣」によって、結果は違ってきます。

さらに、ヨーグルトが血糖値に与える影響は、単に菌の種類だけでなく、個々の腸内環境との相性にも関係しています。実際に、同じヨーグルトを食べても血糖値が安定する人と、そうでない人がいます。その違いを左右するのが、腸内にどんな菌が多いか、腸がどのように食べ物を分解・吸収しているかという点です。

加えて、ヨーグルトに含まれるたんぱく質やカルシウムも、食後の血糖値上昇をゆるやかにする助けとなる可能性があります。乳製品の脂質が糖質の吸収を穏やかにする働きもあるため、無糖ヨーグルトを血糖値の上がりやすい主食や果物と一緒に、または食前に食べるという工夫も効果的です。

明治「ヘモグロビンA1c対策ヨーグルト」の実力は?

私も実際に食べてみましたが、味はまろやかでやさしい酸味があり、美味しいヨーグルトでした。

炎症を抑えて血糖値を安定させる可能性

このヨーグルトに含まれる乳酸菌「MI-2乳酸菌(Lactobacillus plantarum OLL2712株)」は、体の中で「炎症」を抑える可能性があることがわかってきています。ちょっと難しいので、この章はとばしてもらっても大丈夫です!

特に内臓脂肪が増加すると、体内の炎症が起きやすいことがわかっています。MI-2乳酸菌は、小腸で「炎症をおさえる物質(IL-10)」の働きを助けてくれるとされており、その結果、内臓脂肪の増加を抑えたり、血糖値のコントロールを助けたりする可能性があるのです。

近年の研究では、MI-2乳酸菌が腸の上皮細胞で自食作用(オートファジー)を促し、腸のバリア機能を強化することで、炎症物質の体内侵入を防ぐ働きがあることが示されています。

また、動物実験では脂肪組織や腸組織における炎症性サイトカイン(IL-1βやTNFなど)の抑制効果や、腸内環境の改善も報告されています。

さらに、ヒトを対象とした予備的な試験においても、MI-2乳酸菌を摂取することで、HbA1cの低下や慢性炎症マーカーの改善傾向が示された例があります。

ただし、こうした作用が人の体の中でどの程度あらわれるかは、個人差や摂取量、継続期間、体質や生活習慣によって異なるため、「炎症を抑える効果がある」と言い切るには、もう少し慎重な見方が必要です。

内臓脂肪が減ると、血糖値を下げるホルモン「インスリン」が必要以上に出すぎることがなくなります。これにより、脂肪がつきにくくなり、血糖値も安定しやすくなります。

また、血糖値を示す指標である「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」も、インスリンがうまく働くことで少しずつ改善されることが期待されています。

つまり、MI-2乳酸菌は、体の奥で静かに続いている炎症をやわらげ、体全体のバランスを整えることで、血糖や脂肪のコントロールをサポートしてくれる可能性があるのです。

商品の特徴と研究結果

2025年10月に明治から発売された「ヘモグロビンA1c対策ヨーグルト」は、この「MI-2乳酸菌」が入った機能性表示食品として注目を集めています。

「MI-2乳酸菌」は、腸内環境を整えるだけでなく、BMIが高めの人のHbA1c(ヘモグロビンA1c)値の改善に役立つ可能性があるとされ、同社が行った試験では、摂取を続けることでHbA1c値が改善傾向を示すことが報告されています。

試験では、糖尿病ではない健康な成人126名を対象に、通常のヨーグルトを摂取するグループと、MI-2乳酸菌入りのヨーグルトを摂取するグループで比較し、12週間の継続摂取でHbA1cの平均値が約0.1%改善されたと報告されています。

ただし、これは食べてすぐに血糖値を下げるとかいうものではなく、継続的に腸内環境を整えることで得られる変化であり、個人差も大きいことに注意が必要です。

しかもこの商品は国の厳密な審査を受けた「特定保健用食品(トクホ)」ではなく、企業が独自に実施した試験結果に基づいて効果が期待できるとされる「機能性表示食品」です。そのため、効果を断言することはできません。だから、ヘモグロビンA1c対策という商品名なのでしょうね!

甘味料と選び方のポイント

MI-2乳酸菌は、もともと免疫機能の調整や睡眠の質に関する研究でも注目されていた菌株で、健康全般に良い影響を与える可能性もあるとされています。

気になる方は、商品の成分表示や機能性表示をよく確認し、血糖値だけでなく、腸の調子や全体的な体調の変化にも注目して試してみるのもいいかと思います。

「ヘモグロビンA1c対策ヨーグルト」の固形タイプのヨーグルトには、天然甘味料の「エリスリトール」と、人工甘味料の「スクラロース」が使用されています。どちらも血糖値が上がりにくい甘味料が使われています。

同じシリーズの「飲むタイプ」のヨーグルトには、人工甘味料の「アスパルテーム」と「L-フェニルアラニン化合物」が使用されています。こちらにも血糖値が上がりにくい甘味料が使用されています。

これらの甘味料は、人によっては腸内細菌が反応して下痢や便秘の原因になることも。選ぶ際には、固形タイプと飲むタイプの甘味料の違いも確認して、食べた後におなかがゴロゴロしないか、ガスがですぎないかなど様子をみながらお試しください。

腸内環境と血糖コントロールの関係

ここで、ヨーグルトがなぜ血糖値に関係するのか、わかりやすくご説明します。

人の腸の中には、なんと100兆個以上の腸内細菌が住んでいるといわれています。腸内細菌にはさまざまな種類があり、それぞれ違った働きを持っています。こうした菌が多様に存在し、バランスよく共存している状態が、腸にとって健康的だと考えられています。

しかし、このバランスがくずれてしまうと、腸の調子が悪くなり、栄養の吸収がうまくいかなかったり、体の代謝や免疫にも悪い影響が出てしまいます。

一方で、腸の状態が良くなると、血糖値を下げる働きをする「インスリン」というホルモンが、よりうまく働くようになります。また、腸から分泌される「GLP-1」というホルモンも活性化され、インスリンの分泌を助けるとともに、食欲の調整や胃の動きの抑制にも関与します。そのため、血糖値のコントロールがしやすくなるのです。

さらに、腸内細菌のタイプは人それぞれ違い、ヨーグルトに入っている乳酸菌やビフィズス菌も、種類によって働き方が異なります。

だからこそ、「自分に合ったヨーグルト」を見つけることが大切です。

腸内環境が整えば、血糖値も安定しやすくなる。ヨーグルトはそのサポートをしてくれる心強い食品なのです。

ヨーグルトが合わない人もいる

ヨーグルトは体に良いとされていますが、すべての人に合うわけではありません。中には、ヨーグルトを食べるとお腹が張ったり、便の状態が不安定になったりする方もいます。そうした場合は、無理に続ける必要はありません。

最近では、「豆乳ヨーグルト」や「植物性ヨーグルト」なども販売されており、乳製品が体質に合わない方でも取り入れやすくなっています。豆乳ヨーグルトには大豆由来の栄養も含まれており、腸内環境を整える助けになることもあります。

自分に合わないと感じたら、別の選択肢を試してみるのも立派な健康管理です。

どんなに「体に良い」と言われているヨーグルトでも、全ての人に同じように効果があるとは限りません。血糖値もそうですが、お腹の調子は人それぞれ違うからです。

以下のポイントを意識しながら、自分に合ったヨーグルトを探してみましょう。

ヨーグルト選びのポイント

  • 無糖・プレーンタイプを選びましょう(加糖タイプは血糖値が上がりやすい)
  • パッケージの原材料欄を見て、「砂糖」「果糖ぶどう糖液糖」などが入っていないか確認
  • 飲むヨーグルトより、固形のヨーグルトの方が血糖値の上昇がゆるやかになる場合があります
  • 菌の名前が書かれているもの(例:MI-2乳酸菌、BB12など)は、研究に基づいた商品が多い傾向にあります
  • 甘味料の有無にも注意しましょう。血糖値を上げにくい甘味料であっても、人によってはお腹に合わない場合もあります。

食べるタイミングと工夫

  • 食後よりも「食事の前」や「食事中」に食べると血糖値が上がりにくいとされています
  • 食物繊維の多い野菜と一緒に食べると、さらに血糖値の上昇がゆるやかになります
  • まずは2週間くらい毎日続けてみて、お腹の調子や血糖値の変化を観察してみましょう

まとめ:ヨーグルトは「使い方次第」であなたの味方に

ヨーグルトは、「これを食べれば糖尿病が治る」「血糖値が下がる」という魔法の食べ物ではありません。ですが、正しく選び、上手に取り入れれば、血糖値をコントロールするための強い味方になる可能性があります。

そして何よりも大切なのは、「あなたに合うヨーグルトを見つけること」です。体に合っていないと感じたら、無理に続けずに他の食品や方法を試すのも良いでしょう。健康のためにできることは、日々の小さな選択の積み重ねです。

明治の「ヘモグロビンA1c対策ヨーグルト」は、血糖値を直接下げるというよりも、腸内環境を整えることで結果的に血糖コントロールをサポートする可能性がある商品です。そのため、「腸内環境を改善するヨーグルトのひとつ」として、毎日の生活に楽しみながら取り入れるのが良いでしょう。

今日からできることとして、まずはスーパーでヨーグルトの原材料をチェックしてみましょう。そして「どんな乳酸菌?」「ビフィズス菌って入ってる?」菌の種類も確認すると面白いですよ。きっとその種類の多さに驚くと思います。

そして、無糖のヨーグルトを1つ選び、2週間ほど試してみてください。

お腹の調子、食後の体のだるさ、血糖値の変化などを、メモに書いてみるのもおすすめです。

腸と会話する習慣が、あなたの体を少しずつ変えていきます。そしてあなたの腸に合ったヨーグルトが一番、あなたの血糖値を安定させるために働いてくれます。


参考論文一覧

  1. Yogurt consumption and risk of type 2 diabetes in US adults Harvard School of Public Health, 2014
  2. Effects of Probiotics on Glycemic Control: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials Nutrients, MDPI, 2021
  3. Yogurt consumption improves postprandial glucose metabolism in individuals with high glycemic response
    Nutrients, MDPI, 2018
  4. Consumption of Lactobacillus plantarum OLL2712 reduces abdominal fat and improves markers of metabolic health in adults – Clinical Nutrition ESPEN, 2020
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この記事を書いた人

原 なみのアバター 原 なみ 糖尿病専門の管理栄養士

本当は怖い糖尿病を、食事で未然にストップ!
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