糖尿病の一歩手前の状態が、糖尿病予備軍。
血液中のブドウ糖の濃度「血糖値」が高いのが糖尿病ですが、予備軍の人は食後血糖値が少し高いものの、
空腹時血糖値は正常であることも多く糖尿病のなる前段階の状態です。
【糖尿病予備軍かも…チェック】
- 血縁者に糖尿病の人がいる
- 検診で血糖値が高めとか、尿糖が出ているといわれたことがある
- 食べすぎや飲みすぎの習慣がある
- 内臓脂肪が多く、年々体重が増えている
チェックの数が多い人ほど糖尿病予備軍に近い状態。糖尿病を予防するためにも、これからの生活習慣改善で血糖値をケアしましょう。
【糖尿病で一番怖いのは合併症】
神経障害の(し)、網膜症の(め)、腎症の(じ)の『しめじ』が糖尿病三大合併症です。
(し)神経障害…手足のしびれや痛み、感覚のまひをはじめとして、自律神経障害などありとあらゆる神経系の症状や障害です。
(め)網膜症…眼の奥の網膜に眼底出血を起こしたり硝子体出血を引き起こし、視力が低下します。現在、国内で毎年3,000人以上が糖尿病網膜症で光を失っていて、成人の失明の主要な原因です。
(じ)腎症…血液中の老廃物を排泄する腎臓の機能が徐々に低下していき、やがて尿毒症を起こし、人工透析を受けないと命にかかわるようになります。現在国内で毎年1万数千人が糖尿病腎症で人工透析を開始していて、透析原因疾患の第1位を占めるようになりました。その他、動脈硬化や壊疽、認知症、脳梗塞や心筋梗塞のリスクもあがります。
【糖尿病予防のための生活習慣】
糖尿病予防のためにまずは、毎日の生活の中で血糖値ケアを取り入れましょう。
- ゆっくり食べる
早食いをすると、食べた物が早く腸に到達するので、血糖値が急上昇します。
また、早食いでは食べすぎになりがちです。 - 朝食を欠かさず、1日3食
食べる回数が少ないと、1回に食べる量が多くなり、食後の血糖値がより高くなります。 - 炭水化物だけで食事しない
おにぎりだけ、パンだけ、麺だけなど品数が少なく、
栄養バランスが偏った食事は短時間で消化吸収されるため、血糖値が上がりやすくなります。
逆に、いろいろなものを少しずつとりそろえて食べると、消化吸収に時間がかかり、血糖値は上がりにくくなります。 - 血糖値の上昇を抑えるものをメニューに入れる
野菜やきのこ・海藻、精製度の低い穀物などは、食物繊維が豊富で、血糖値の急な上昇を抑えてくれます。 - 寝る前には食べない
寝る前に食べるとエネルギーが消費されず、貯蓄に回って太ります。
食事はからだを動かす前に食べるのが原則。なるべく就寝3時間前までに夕食を。 - 食後に動く習慣をつけましょう
活動量が少ないと、体内でブドウ糖が処理されにくくなり、血糖値が上がりやすくなります。
食後はすぐ家事をする、座るより立つぐらいの軽い活動でも血糖値上昇を抑えます。
一番おすすめは「歩くこと」です。手軽にできて、そのうえ糖尿病予防に効果的な運動です。
【糖尿病の食事療法のすすめ】
血糖値を上げない食事 「糖尿病食」というと、もう糖尿病になってしまった患者さんが治療のために仕方なく食べる「病人食」だと思っている方が多いのですが、それは違います。
糖尿病の食事療法の基本は、その人にあった糖質量やカロリーを過不足なくとり、同時に栄養バランスを整えるというもの。
糖尿病でない健康な人にもお薦めしたい『健康食』なのです。
【定期健診のすすめ】
糖尿病予備群の段階ではとくに自覚症状がないので、糖尿病の進行状態は自分ではほとんどわかりません。
なるべく一定の医療機関(かかりつけ医)を決めて、少なくとも半年に1回は検診を受けることが必要です。