2024年11月23日江の島コミュニティカフェむすぶさんで、大人の食べて学ぶ食育講座を開催しました。今回のテーマは『何をどれだけ食べたらいいの?』を解決したいというご要望をテーマに構成。お一人お一人の食のものさしになるよう、私の為の食材表という食材の目安表を付録にした盛りだくさんの講座。
試食は舞茸のオニオンスープ。自動調理鍋ビストロオートクッカーで作った炒め玉ねぎに舞茸と鶏手羽元を入れて作ったカロリーオフなのにコクがあるスープ。舞茸たっぷりだから食物繊維量は何と1食の半分もとれてしまうというヘルシーさ。
さてさて、どんな講座だったかというと、糖尿病の食事指導歴15年の私が今まで実際に患者さんに指導してきた食事療法を一般の方にもわかりやすい形でふたつ紹介しました。
一つ目は、バランスプレート食事法。これは、もともとアメリカの糖尿病学会が推奨しているバランスプレート食事法を日本流に私がアレンジしたものです。お皿に盛り付けるだけで、食事バランスが整うというもの。
方法は、直径21~23 cm ほどのお皿を用意します。次に、上の図のように3つの部分に仕切ります。もとから仕切りがあるプレートだと盛り付けやすいですね。
そして、お皿の半分に「でんぷん質でない野菜」を詰めます。でんぷん質でない野菜とは例えば、ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、人参、キャベツなどです。海藻やきのこもこちらに入ります。これらは炭水化物が少ないため血糖値も上がりにくく、ビタミン・ミネラル・食物繊維も多く含んでいます。「でんぷん質でない野菜」に、じゃがいもやサツマイモなどイモ類は含まれません。これらを食べる場合には「炭水化物」に含めます。
次に、お皿の4分の1に「タンパク質の多い食品」を詰めます。たんぱく質の多い食品と言えば、魚、肉、大豆、卵などです。お肉はヒレやももなど低脂肪がおすすめです。肉に偏らず、大豆製品などの植物性たんぱく質も1日の中に含めましょう。
最後に、お皿の残りの4分の1に「炭水化物」を詰めます。炭水化物食品は米などの穀類、パンや麺、イモ類など「でんぷん質の野菜」、その他ひよこ豆や小豆など炭水化物の多い豆も含まれます。
炭水化物は血糖値を上げやすい食品ですが、玄米、大麦、オートミールなど精製されていない食品であれば、ビタミンやミネラルが豊富でGI値(血糖値の上りやすさの指標)が低くなります 。
食事の際に一緒に飲む飲み物は、お茶や水などのカロリーのないものを選びましょう。果物や乳製品は間食や補食として1日200kcalを超えない程度に食べます。(アメリカバージョンは果物は炭水化物食品と同じで扱います:下記の表はアメリカバージョン)
このメソッドを使って料理をお皿に盛り付けるだけで、カロリー計算糖質計算なしで食事の量や栄養バランスを整えられるバランスプレート食事法は、簡単に健康的な食事バランスを整えられますので、ぜひ実践してみてください。
次に紹介したのは、糖尿病の食品交換表を用いた食事法。『食品交換表』とは、食品を主に含まれている栄養素により6つの“表”に分類し、80kcalを1単位として、それぞれの食品1単位分の重さ(g)を示したものです。主治医や管理栄養士が1日の指示単位と、各表への振り分けを指示しますので、それを目安に患者さん自身が食品を選択することで、理想的な栄養バランスの食事をとることができるというものです。単位計算がややこしいのが難点です。
食品交換表はカロリーコントロールがベースになっており、糖質コントロールをメインとした現在の糖尿病の食事療法ではこの食品交換表を必ずしも指導に使ってはいません。私は、カロリーコントロールが必要な減量の指導時や、たんぱく質の摂取量を具体的に示すとき等などに食品交換表の一部を適正量目安として使用するようにしています。
今回の講座ではたんぱく質と炭水化物食品、果物の目安量として食品交換表を使った目安でご紹介しました。それをお一人お一人の適正エネルギー量を計算して、何をどれだけとったらいいのかを図で示した「私の食材表」としてプレゼント。
ご参加の方々からは「具体的にイラストがあるからわかりやすい!」とご好評をいただけました。
講座にご参加くださいました皆さん、寒い中江の島までお越しいただきありがとうございました。
次回は来年2025年2月1日土曜日午前中を予定しています。テーマは『デトックス』。世間一般のインチキデトックス情報に負けない講座を作りますね!