今まで健康診断で指摘されたこともないのに、 最近になって悪玉コレステロール(LDLコレステロール)があがってきました。 何を食べたら下がりますか?? 栄養相談でよくいただくお悩みのひとつです。
特に閉経前後の女性から相談をお受けします。なぜ更年期が近づくとLDLコレステロールがあがりやすいのかについてまとめました。お食事の対策もまとめています。
閉経前後の女性がLDLコレステロールが上がりやすい理由
◆エストロゲンの減少:
エストロゲンは女性ホルモンの一つで、血中のLDLコレステロールを低下させる働きがあります。閉経に伴いエストロゲンの分泌が減少することで、LDLコレステロールが上がりやすくなります。
◆代謝の変化:
年齢とともに体内の代謝が低下するため、脂質の代謝も悪くなります。これにより、LDLコレステロールが血液中に蓄積しやすくなります。
◆体重増加、体組成の変化
以上のホルモンバランスの変化により体重が増加しやすくなります。
体重が増加して内臓脂肪が蓄積すると、LDLコレステロールの上昇と関連があります。
痩せた方でも筋肉量が少ない方も内臓脂肪が多い方は少なくないので、体重だけでは判断できません。
体組成計などで体脂肪量や筋肉量、内臓脂肪指数を確認してみましょう。
LDLコレステロールがあがってきたら何を食べたらいい??
①食物繊維の摂取
オーツ麦、玄米、全粒粉などの全粒穀物や、果物、野菜、豆類には豊富な食物繊維が含まれています。食物繊維は腸内でコレステロールの吸収を抑える働きがあります。
②良質な脂質を選ぶ
オリーブオイル、アボカド、ナッツなどの不飽和脂肪酸を含む食品を選びましょう。
これらの脂質はLDLコレステロールを低下させる効果があります。
逆に動物性脂肪のとり過ぎはLDLコレステロールを上げる事になります。
③魚を食べる頻度を増やす
サーモン、マグロ、イワシなどの脂肪が豊富な魚にはオメガ-3脂肪酸が含まれており、これがLDLコレステロールの低下に働きます。
④トランス脂肪酸と飽和脂肪酸を過剰にとらない
バター、肉の脂身、乳製品など飽和脂肪酸を多く含む食品のとり過ぎを控えましょう。これらの脂肪はLDLコレステロールを増加させます。
1日何杯もカフェラテを飲んでいたりするとあっという間に1日の飽和脂肪酸の摂取量をこえてしまいます。豚のバラ肉やベーコン、ソーセージを常に常備している方も飽和脂肪酸の摂取量が多いです。
またお菓子やパンに含まれるショートニングや加工食品などの見えない油にはトランス脂肪酸がたくさん含まれるので、毎日食べるものからは控える事をおすすめします。
食事の対策に加え、毎日の活動量を増やして筋肉量を維持して体脂肪を蓄積しない生活習慣もコレステロール対策に重要です。
これらの対策をしてもなかなか下がらない時は
遺伝的にコレステロールが上がりやすい可能性がありますので、
早めに病院でご相談ください。