菊芋の驚くべき健康効果:知られざるスーパーフードの力
日頃の体調不良や血糖コントロールに悩む方々にとって、食材の選び方はとても重要です。そんな中、近年注目を集めているスーパーフード「菊芋(きくいも)」。実は、この根菜には私たちの健康をサポートする優れた力が詰まっています。特に血糖値ケアや腸内環境の改善を目指している方には、ぜひ知ってほしい食材です。この記事では、菊芋がもたらす健康効果や具体的な活用法について詳しくお伝えします。
1.菊芋とは?その特徴と栄養素
菊芋は、キク科ヒマワリ属の多年草の根茎部分を食用にする野菜で、その見た目はショウガに似ています。芋と名がついていますが、ジャガイモやサツマイモとは異なり、デンプンをほとんど含まず、代わりに「イヌリン」という水溶性食物繊維を豊富に含んでいるのが特徴です。
イヌリンは私たちの体にとって非常に重要な役割を果たし、健康効果をもたらしてくれます。このイヌリンが、菊芋を「天然のインスリン」と呼ばれるほどの評価を得ている理由でもあります。
2.菊芋の主な健康効果
(1) 血糖値を穏やかに保つ
菊芋に含まれるイヌリンは、食後血糖値の上昇を緩やかにする効果があることで知られています。イヌリンは体内で分解されるとフラクトオリゴ糖となり、糖質の吸収を遅らせる働きがあります。このため、糖質を摂取した際の血糖値コントロールをサポートするのです。
朝食前に菊芋を摂取することで、日中の血糖値コントロールが改善されることが示された研究もあります。
(2) 腸内環境を整える
イヌリンは腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるプレバイオティクスとしても注目されています。特にビフィズス菌や乳酸菌を増やす作用があり、腸内環境を改善することで、便秘や下痢の予防に役立ちます。
腸内環境が整うことで、免疫力の向上や美肌効果、さらには精神的な安定(腸は「第二の脳」とも呼ばれるため)にも良い影響が期待できます。
(3) 体重管理と脂肪燃焼をサポート
菊芋は低カロリーで食物繊維が豊富なため、満腹感を得やすい食材です。特に、血糖値の急上昇を抑えることは脂肪の蓄積を防ぎ、食欲をコントロールする上でうえで非常に重要です。さらに、腸内環境が整うと、エネルギーの過剰吸収が抑制され、脂肪の蓄積が減少します。
(4) デトックス効果
イヌリンは腸内の老廃物を吸着して体外に排出する働きがあります。そのため、菊芋を食べることで体内のデトックス効果が期待できます。体の不要なものを外に出すことで、体調が整い、疲れにくい身体づくりが可能になります。
3.菊芋の栄養成分は?他の芋とどう違う?
菊芋(生)100gあたりの栄養成分はこちら
エネルギー66kcal、たんぱく質1.9g、脂質0.4g、炭水化物14.7g、糖質12.8g、食物繊維1.9g、単糖当量(血糖値に影響する糖)2.8g
血糖値への影響を数値で比較分析するため、今回は糖質よりも単糖当量で比較してみます。菊芋100gの単糖当量は2.8g。じゃが芋の単糖当量は17.0gですので、菊芋の単糖当量はじゃが芋の約1/5量です。
さつま芋とも比較してみましょう。さつま芋の単糖当量は30.9gとなり、菊芋の単糖当量はさつま芋の1/10量。じゃが芋やさつま芋と菊芋と比較してみると、菊芋がかなり低糖質野菜ということがわかりますね。
※利用可能炭水化物(単糖当量)は、利用率を考慮した摂取量を算出する値です。糖尿病などで糖質コントロールが必要な場合は、糖質より利用可能炭水化物(単糖当量)を用いたほうが、より体への影響に関してより正確な値を把握できます。
(文部科学省 食品成分データベース)
4.菊芋をどのように取り入れる?具体的なレシピ例
菊芋は生で食べることもでき、ほんのりとした甘みとシャキシャキした食感が特徴です。サラダに加えたり、漬物にしたりするのもおすすめです。また、火を通すと柔らかくなり、味噌汁や炒め物、グラタンなどの料理にも幅広く使えます。皮に食物繊維が多く含まれるので皮ごといただきましょう。
私はよくフライドポテトを食べたい時にじゃが芋の代わりに菊芋を使います。
菊芋のフライドポテト
【作り方】
①菊芋は洗って水けをふき取り、厚めにスライスする。皮はむきません。
②フライパンに大さじ1-2杯のオリーブ油を熱し、カリカリになるまで菊芋を揚げ焼きにする。
③お好みで塩コショウを振ってできあがり。
5.菊芋を取り入れる際の注意点
菊芋は非常に健康にメリットのある食材ですが、摂取の際にはいくつか注意点もあります。
●食べすぎに注意:菊芋に含まれるイヌリンは、摂りすぎるとお腹がゆるくなることがあります。最初は少量から始め、体に合った量を見つけましょう。私も菊芋を最初に食べた時はお腹が異常に発酵しポコポコしてガスが発生しやすく不快な状態が続きました。最近は慣れてきて、多少多く食べてもお腹がはりません。初めて食べる時は1日1食小鉢程度の量から始めるのがおすすめです。
●新鮮さを確認:菊芋は鮮度が落ちやすいため、購入後は早めに使い切るか冷蔵庫で保存してください。
6.菊芋のメリットを取り入れて健康な毎日を
菊芋は、血糖値のコントロールや腸内環境の改善、免疫力の向上など、私たちの健康に多くのメリットをもたらしてくれる野菜です。食事に少しずつ取り入れることで、無理なく健康的な生活をサポートすることができます。
菊芋使いたいけどスーパーでみかけない!ってお声をよく聞きます。神奈川県の藤沢市近辺にお住まいでしたら、『ハックツ!』という地元のECサイトや、藤沢市善行の『八〇八』という八百屋さん、藤沢市湘南台駅東口ローゼンに11月から3月ぐらいでしたら販売されています。
その他、楽天市場でいくつか農家さんが販売されてますね。楽天なら全国どこからでもお取り寄せで購入できます。
ぜひ、旬の菊芋が手に入ったら日々の食事に少しずつ加えて、体調を整える食材のひとつとして使ってみてください。
【参考文献】
・文部科学省食品成分データベース
・農業食品産業技術総合開発機構 試験研究計画名:高齢者に配慮した時間栄養・運動に基づく次世代型食・運動レシピの開発 研究代表機関名: 早稲田大学
・静脈経腸栄養Vol28.2013 腸内細菌と脂質代謝